三菱重工業傘下の三菱航空機が国産旅客機「三菱スペースジェット(MSJ)」の開発凍結を表明して2年がたった。この間、ブラジルの同業エンブラエルは海外市場のみならず、お膝元の日本でも顧客の切り崩しにかかる。開発再開について三菱重工の説明はぼやけたままで、ライバルの攻勢を前になすすべもない状況が続く。

三菱重工の泉沢清次社長(左下)と開発を凍結中の三菱スペースジェット(上)
三菱重工の泉沢清次社長(左下)と開発を凍結中の三菱スペースジェット(上)

 「(座席数100〜150席以下の)リージョナル機の市場回復は遅れている。環境を見ながら判断する」。11月1日、三菱重工の泉沢清次社長の歯切れはいつにも増して悪かった。

 泉沢社長が2020年10月、MSJの開発について「一旦立ち止まる」と表明して約2年が過ぎた。この間、米国の飛行試験拠点は22年3月末で閉鎖。4機の飛行試験機のうち、3号機の登録は抹消され、機体は解体された。三菱航空機は3期連続で負債が資産を上回る債務超過で、その額は22年3月期末で5647億円。財務問題が解消するめどはたっていない。

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