迷走を続けたセブン&アイ・ホールディングス(HD)傘下の百貨店、そごう・西武の売却問題にようやく片が付いた。買い手は、米投資ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」と「ヨドバシホールディングス(HD)」の連合。不動産の観点から「魅力に欠ける」との声もあるが、ヨドバシは出店の空白域に「EC強化」の利を見ているようだ。

 セブン&アイHDは11月11日、そごう・西武の売却先がソフトバンクグループ(SBG)傘下のフォートレスに決まったと発表した。フォートレスは日本で不動産投資に注力している。しかし、ある証券アナリストは、「そごう・西武に切り出せる資産はほとんどない」と指摘する。

 実際、そごう・西武に残る資産を切り出すのは難しい。旗艦店の西武池袋本店(東京・豊島)は西武鉄道の池袋駅と一体化しており、底地の多くを現在は資本関係がない西武グループが所有する。そしてそごうは、全国各地の再開発事業のキーテナントとして名乗りを上げ、店舗を増やしていった経緯から、土地・建物ともに複数の権利者が存在する。純粋な自社所有物件は皆無に等しい。

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