メルカリは2023年春、フリマアプリ内で暗号資産(仮想通貨)を購入できる機能を付ける。小口決済で使えるようになれば、仮想通貨の実用的な使い道として認知されるだろう。ただ、価格が下落すれば利用者が損をする構図は変わらない。顧客のリスクが増えるジレンマが潜んでいる。

メルカリはフリマアプリ内での決済にも仮想通貨を使えるようにすると見込まれている(写真=Bloomberg/Getty Images)
メルカリはフリマアプリ内での決済にも仮想通貨を使えるようにすると見込まれている(写真=Bloomberg/Getty Images)

 メルカリは11月8日、アプリ利用者が不用品などを売却した売上金で、仮想通貨を購入できる機能を付けると発表した。金融子会社のメルコイン(東京・港)がシステムをつくった。

 ターゲットは初めて仮想通貨を使う層だ。一般的な仮想通貨取引所では口座開設や本人確認に手間がかかる。メルカリでは利用者がすでに売上金の振込口座の登録などを済ませているため、最短1分で申し込みが完了する。山本真人執行役員は「(仮想通貨取引を始める)ハードルを可能な限り排除した」と話す。サービス開始時は最も有名なビットコインを扱う予定だ。

 当初はアプリでの決済に使うことはできない。利用者は将来、メルカリと関係のない場所や決済で使えるようになると見込まれている。ビックカメラは2017年に全店舗でビットコイン決済を導入、楽天も21年からビットコインを電子マネーにチャージして使えるサービスを始めた。

 注目したいのはメルカリのビジネスがビットコイン決済に適しているという点だ。仮に商品をビットコインで購入できるようになれば、仮想通貨の潮流を変えるかもしれない。

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