毎年11月の第3木曜日は、フランス産ワインの新酒「ボージョレ・ヌーボー」の解禁日だ。今年は11月17日である。ただ、今年は例年のお祝いムードとは様相が大きく異なる。かつてないほどの「大幅値上げ」が起きているからだ。価格は2021年比で1.3~2倍に。相次ぐ値上げで節約意識が高まる昨今、販売元はどんな戦略で挑むのか。

メルシャンの750mlサイズは2021年のペットボトル商品と比べて約2倍の価格に。22年は割安感のある国産ヌーボーに注力
メルシャンの750mlサイズは2021年のペットボトル商品と比べて約2倍の価格に。22年は割安感のある国産ヌーボーに注力

 原料高騰や円安進展を受け値上げラッシュが相次ぐ昨今、消費者は財布のひもを引き締めている。そんな中、11月17日に解禁日を迎える「ボージョレ・ヌーボー」商戦は、例年にないほどの苦戦が予想されている。

 最大の懸念は商品の大幅値上げだ。750ミリリットル(ml)サイズ1本当たりの店頭価格は3500~4500円(税込み)ほどで、前年比で約1.3~2倍になる見込み。「この価格なら高級ワインに近い1本が選べる」との声もあり、割高感が強く意識されている。

 値上げの要因は空輸運賃の高騰だ。ウクライナ情勢の影響で商品を輸送する航空機はロシア上空を迂回せざるを得ず、使用燃料の増加や原油高が影響した。この上乗せ分が「過去に例のない水準」となっており、輸入業者はどこも頭を抱えている。

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