(写真=新華社/アフロ)
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 「2035年までに『社会主義現代化』をほぼ実現し、35年から今世紀半ばまでの期間で『社会主義現代化強国』にしていく。今後5年は、社会主義現代化国家の全面的な構築が始まる重要な時期だ」。中国北京市で10月16日に開幕した中国共産党の第20回党大会。開幕式で活動報告をした習近平総書記(国家主席)は、今後の政策運営の重要性を強調した。

1強体制、政策転換難しく

 党大会は5年に1度開かれ、中国共産党の指導体制や基本方針を決める。第20回党大会では、12年から共産党トップを務めてきた習氏が「異例」の3期目に突入するかどうかが一つの焦点となっていたが、冒頭の発言で続投は確定的となった。

 習氏は活動報告の中で、今後の政策について強気の主張を繰り返した。自らが主導する「共同富裕(ともに豊かになる)」を追求していく考えを強調。習氏は「低所得者の所得を増やし、中間層を拡大し、所得分配機能をルール化していく」と語った。台湾問題については「中国人自身のことで、中国人が自分で決めなくてはいけない。決して武力行使の放棄はしない」と統一に強い意欲を示した。

 「ゼロコロナ政策」による経済活動の停滞、産業への規制強化、不動産市場の変調、米中対立など様々なリスクに中国経済は直面している。だが、政治体制安定の優先度を経済よりも明確に上位に置く姿勢が変わる可能性は小さくなっている。

 党大会中の10月18日に予定されていた22年7~9月の国内総生産(GDP)の発表は、理由もなく延期された。「政治日程に重なったことが主な原因だろうが、好調なら発表しているはずでポジティブには受け止められない」(日系証券会社幹部)。市場には混乱が広がった。

 「習近平1強」の弊害として懸念されるのが政策転換がより難しくなることだ。特に習氏自らが推進する政策は、たとえ誤りがあっても軌道修正がなされない恐れが大きい。象徴的なのが、新型コロナウイルスを徹底的に封じ込めようとする「ゼロコロナ政策」だ。

 「“躺平”不可取、“躺贏”不可能(寝そべって何もしないのは得策でなく、勝利することもできない)」

 中国共産党の機関紙である人民日報は10月12日、こう題したコロナ対策への論評記事を掲載した。ウィズコロナに転換した日本や米国の感染状況の深刻さを紹介。その上で「ゼロコロナ政策は科学的に正しく、効果的で実現可能であることは十分に証明されている」と主張した。習氏の活動報告でもゼロコロナ政策堅持の姿勢が、改めて示されている。

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