2022年10月以降の契約分から、火災保険の保険料が大幅に引き上げられるケースが増えている。損害保険会社が保険料のベースにする「参考純率」が、相次ぐ自然災害などを背景に上昇したためだ。今後も値上げ基調は続くとみられ、大手各社は特約などで独自性を出し、加入者をつなぎ留めようと動く。

台風による被害が相次いだことで、火災保険料の引き上げが不可避に(9月、土砂崩れに巻き込まれた浜松市の住宅)(写真=共同通信)
台風による被害が相次いだことで、火災保険料の引き上げが不可避に(9月、土砂崩れに巻き込まれた浜松市の住宅)(写真=共同通信)

 損保の業界団体である損害保険料率算出機構がはじき出す参考純率が、2021年6月に全国平均で10.9%引き上げられた。19年、台風15・19号が各地に深刻な被害をもたらし、支払保険金がかさんだことなどが背景にある。この改定が、22年10月以降の契約分から適用された。

 加えて参考純率の最長適用期間が従来の10年から5年に短縮された。これに合わせ、多くの損保会社が契約期間を最長5年とした。災害リスクが読みにくくなっているためだが、火災保険は基本的に長期契約、かつ一括払いにすることで保険料が下がる。加入者の負担感は一層増す。

 火災保険の値上げ基調は今後も続きそうだ。損保大手4社の火災保険の損益は21年度まで12年赤字が続く。参考純率の引き上げも14年以降、21年の改定で4回目。各社は防災関連の技術・サービスの開発などを通じ支払保険金やコストなどを抑える動きも見せるが、収支改善に向けさらなる値上げは避けられないだろう。

 あらゆる製品・サービスの値上げラッシュにより家計負担は重くなり、消費者の価格感応度は高まっている。保険料を抑えたネット保険への注目度が高まる可能性もある。大手4社が加入者をつなぎ留めるための手段が、様々な特約だ。

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