日立製作所、NTTデータなどが資源循環社会のデータ覇権競争に乗り出す。製造から再利用まで環境や機密情報を企業間で安全にやり取りするデータ基盤を構築する。国際標準化やルール形成で先行する欧州への対抗軸を目指す。

日立製作所の小島啓二社長兼CEO(左から2人目)は「日本からの標準化、ルール形成を目指す」と語る
日立製作所の小島啓二社長兼CEO(左から2人目)は「日本からの標準化、ルール形成を目指す」と語る

 「欧州にルール形成や標準化で先行されている事例が少なくない。日本がサーキュラーエコノミーを世界でリードしていくという強い思いで進めていく」。10月11日、日立製作所は国立研究開発法人の産業技術総合研究所と「日立-産総研サーキュラーエコノミー連携研究ラボ」を立ち上げた。小島啓二社長兼CEO(最高経営責任者)は会見で、循環経済のグローバル覇権競争で一歩も引かない姿勢を強調した。

 3年間で約10億円をかけ、約40人の研究者が循環社会の在り方、デジタルソリューションの開発、標準化戦略の立案などをテーマに研究する。日立は材料調達や製造、物流、使用、回収、再利用まで様々な企業が関わるデータを連携する情報基盤を築くのが狙いだ。

 主力事業であるIT(情報技術)ソリューション「ルマーダ」と連動させ、例えばリサイクル材を使った調達や製造工程への組み替えを提案するなど、顧客が資源循環へとビジネスモデルを転換するのを支援できるようになる。日立と産総研の構想への賛同企業を増やすため、国際標準化団体に積極的に提言する。

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