オリンパスは8月29日、顕微鏡などの科学事業を米投資ファンド、ベインキャピタルに4276億円で売却すると発表した。不正会計発覚後の2012年から取り組んできた構造改革は、これで総仕上げとなる。今後は医療事業に資源を集中させ成長フェーズにシフトし、グローバルなメドテック企業へと転換を図る。

オリンパスは科学事業を売却し、今後は医療領域に注力する(写真=ロイター/アフロ)
オリンパスは科学事業を売却し、今後は医療領域に注力する(写真=ロイター/アフロ)

 「構造改革を実行すると打ち出しても、その通りにできる日本企業は少ない。やるべきことをやってきたのが今につながった」

 工業用顕微鏡などの科学事業はオリンパスの祖業でもある。事業売却の発表を耳にした市場関係者は、「大仕事」をやり遂げた同社をこうたたえた。売却額は4276億円。同事業の売上高1191億円(2022年3月期)の3.6倍の評価となった。

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