トヨタ自動車が資材の高騰に悩まされている。2022年4~6月期連結決算は3四半期連続の最終減益となった。1ドル=130円台に下がった為替の円安は追い風となっているものの、膨らむ資材コストをカバーしきれない。車の価格に転嫁してコスト増を吸収する選択肢もあるが、トヨタは今のところ我慢を続ける考えだ。なぜか。

国内では車のモデルチェンジを機に価格を見直すのが通例だった(写真=AFP/アフロ)
国内では車のモデルチェンジを機に価格を見直すのが通例だった(写真=AFP/アフロ)

 「鉄、アルミ、原油、樹脂が値上がりしている。電力やガス、物流など(のコスト)も上がっている」。トヨタの4~6月期の営業利益は前年同期比42%(4188億円)少ない5786億円となった。資材の高騰が3150億円の下押し要因となったことが大きい。

 サプライヤーもコスト増に苦しんでいることに配慮し、トヨタは自社向けの部品などについてコスト増を価格に転嫁することを容認する意向を示している。このことがトヨタ自身の利益を圧迫している可能性がある。

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