難航していた2022年度の最低賃金をめぐる協議は、全国平均の目安額を31円引き上げることで決着した。前年度の28円を上回る過去最大の上げ幅で、物価高で生活が苦しい消費者に配慮する形となった。引き上げは所得再分配の観点からも重要だが、物価高騰が続く中、中小企業を中心に収益改善が求められる。

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 8月1日、厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会は、2022年度の最低賃金(時給)の目安を全国平均で961円にすると決めた。前年度からの上げ幅は31円。昨年度の28円を上回る過去最大の引き上げ幅だ。

 7月中の決着が通例だった協議が8月に持ち越される異例の展開となったが、決着の決め手となったのが「物価高に賃金上昇が追い付いていない」状態が長期化することへの懸念だ。物価高は食料やエネルギーといった生活必需品が中心で、低所得者ほど影響を受けやすい。消費が冷え込む要因にもつながるため「引き上げやむなし」と企業側も考えたようだ。

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