電子機器の廃基板から貴金属やレアメタルをリサイクルする「都市鉱山」ビジネスが衆目を集める。資源の安定調達が難しくなっているためだが、従来はメールやファクスを使って取引しており非効率だった。大手の三菱マテリアルがオンライン取引プラットフォームを稼働し、取引環境のDXを進め始めた。

廃基板の査定状況を回収業者とリアルタイムに共有できる
廃基板の査定状況を回収業者とリアルタイムに共有できる

 三菱マテリアルは「都市鉱山」と呼ばれる使用済み家電や電子機器の廃基板を取引する新たなプラットフォーム「MEX」を2021年末に稼働した。22年7月時点で、国内の取引先のほぼすべてが新システムの利用を開始した。

 ロシアのウクライナ侵攻や米中対立の深刻化など、地政学的な緊張が高まっていることで資源の調達難や価格上昇が起き、都市鉱山からのリサイクル需要は高まっている。三菱マテは世界で発生した廃基板の2割弱を処理している。メールやファクスを使用する取引が主流だった都市鉱山ビジネスでDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進することで、競合優位を確立することを目指す。

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