この記事は日経ビジネス電子版に『SMBC日興の相場操縦事件 疑わしい取引、調査し尽くされたのか』(6月27日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』7月11日号に掲載するものです。

SMBC日興証券の元幹部が逮捕・起訴された相場操縦事件を巡り、調査報告書の内容が公表された。調査委が調べたのは起訴対象となった取引のみで、ほかにも疑わしい取引があったことが明らかになった。市場の価格形成機能をゆがめた罪からの再出発を図るには、あらゆる取引を洗いざらい調査すべきではないか。

記者会見するSMBC日興証券の近藤雄一郎社長(中央)(写真=共同通信)
記者会見するSMBC日興証券の近藤雄一郎社長(中央)(写真=共同通信)

 SMBC日興証券の元幹部ら6人が逮捕・起訴された相場操縦事件を巡り、同社が設置した調査委員会は6月24日、調査報告書(開示版)の内容を公表した。報告書では、近藤雄一郎社長が副社長から「ブロックオファー(BO)」と呼ばれる株の売買取引について「値崩れした時に自己ポジションを用いて価格をサポート」と記載されたメールを受信していたことが明らかになった。

 文面は「株価が下がったら我々が買い支えます」とも読める。「相場操縦をやります」と言っているようなものであり、この記述自体、違法性が問われるものだ。近藤社長は同日の記者会見で「グローバルマーケット部門の報酬体系の改革を考えていた。結果、副社長からこのメールが来た。(BO事件についての)関与は一切ない」と述べた。メールの主な内容は報酬体系に関するものだったため、BOについては認識していなかったという。

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