この記事は日経ビジネス電子版に『「陰性証明なくして人権なし」、上海封鎖解除が映すゼロコロナ新常態』(6月3日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』6月27日号に掲載するものです。

6月1日、大規模ロックダウン(都市封鎖)がようやく解除された中国上海市。あまりに過酷な状況下で、企業はどのように事業を継続したのか。取材に応えた企業の証言から、2カ月以上にわたる異常事態が市民と企業に残したダメージが浮き彫りになってきた。

 2カ月以上に及ぶ大規模都市封鎖(ロックダウン)が解除された中国上海市。封鎖後の「新常態(ニューノーマル)」を象徴するのが、公共交通機関やマンション、店舗の入り口に必ず貼られるQRコードだ。「場所コード」と呼ばれ、専用アプリで読み取ると、最新のPCR検査の実施時刻と結果が表示される。72時間以内に受けた検査の結果が陰性でないと入れない。「移動制限が課せられているが72時間以内の陰性証明があれば緩和される」という状況だ。

 長期間自宅などに閉じ込められた上海市民や在留外国人の多くが心に傷を負った。中国国営中央テレビ(CCTV)によれば4月の電話心理相談件数は9000件となりロックダウン前の3倍に急増。自死といった痛ましい出来事や、各地での治安機関との衝突が複数報告されている。

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