この記事は日経ビジネス電子版に『35日間無人操業に成功 横河電機、AIで切り開く製造業の未来』(6月7日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』6月20日号に掲載するものです。

制御・計測システム大手の横河電機が、AI(人工知能)による製造業の「自律化」へ歩を進めている。化学プラントを35日間連続で無人操業させることに成功するなど、実績を積み上げつつある。人なしでは動かないとされてきた製造業の現場の常識が大きく変わるかもしれない。

クラウドに収めたAIで遠隔制御した「3段水槽」(東京都武蔵野市の横河電機本社)
クラウドに収めたAIで遠隔制御した「3段水槽」(東京都武蔵野市の横河電機本社)

 「破壊的な技術革新」。横河電機がこう胸を張るのは、奈良先端科学技術大学院大学(奈良県生駒市)と共同開発した強化学習AI「FKDPP」だ。2018年以降、化学品の製造プラントのシミュレーターなどに組み込み、操作や制御をAIが担えるかどうか、実験を繰り返してきた。

 通常、ディープラーニング(深層学習)には最低でも100万回以上の試行錯誤が必要とされる。ところがFKDPPはわずか約30回の試行錯誤で最適なバルブ操作を見つけ出したという性能の良さが売り物だ。

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