この記事は日経ビジネス電子版に『遺伝情報の活用は差別? 医師会・医学会の声明に揺れ動く生保業界』(4月28日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』5月16日号に掲載するものです。

日本医師会と日本医学会が出した遺伝情報・ゲノム情報を巡る共同声明が生命保険業界を揺るがしている。声明は、保険契約で遺伝情報を活用すると差別につながりかねないとして、各社に指針の策定を求めるというもの。遺伝情報の社会的な定義が定まっていない段階での指針策定には慎重な意見もあり、業界の足並みはそろわない。

日本医師会などが遺伝情報の取り扱いについて出した共同声明(左)(写真=右:アフロ)
日本医師会などが遺伝情報の取り扱いについて出した共同声明(左)(写真=右:アフロ)

 「遺伝情報の明確な定義が定着していない段階で『利活用しない』と言い切るのは時期尚早では」。ある大手生命保険会社の幹部がこう懸念するのが、4月に日本医師会と日本医学会などが出した共同声明を巡る対応だ。声明では生保会社に遺伝情報・ゲノム情報の取り扱いについての自主的な方策について、早急な検討・公表を求めている。

 遺伝情報・ゲノム情報は医療の高度化に不可欠だ。創薬や新たな治療法の開発につながり、一人ひとりの病状に合わせた治療もできるようになる。一方、診断や治療以外の目的で使われると、患者やその家族が差別される恐れもある。

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