「処方箋なしで病院の薬が購入できる」とうたう「零売専門」薬局チェーンが登場している。医療機関を受診せずに薬を購入できるため、多忙なビジネスマンなどのニーズはありそうだ。ただ、制度の抜け道を使ったグレーゾーンの販売方法であり、普及には課題が残る。

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 病院の薬を処方箋なしで売る「零売」。この仕組みを売りにした専門薬局チェーンが登場した。「GOOD AID」(名古屋市)が展開する「セルフケア薬局」だ。服部雄太代表取締役は、「零売は2005年に厚生労働省が条件付きで認めた制度。1万5000種類ある医療用医薬品の約半分が処方箋医薬品以外の医薬品だ。これを医療機関を受診前の患者に零売することで、保険に頼らないセルフメディケーションを実現できる。医療費高騰が叫ばれる中で、薬局や薬剤師の在り方の一つとなる」と説明する。

 処方箋医薬品は、大規模災害時など厚労省が05年に出した通知で定めたケースを除いて、医師の処方箋を持たない人には原則販売できない。だが、医療用医薬品には処方箋医薬品以外の医薬品も数多く存在する。それらは幾つかの条件下で処方箋なしの販売が可能だ。

 健康保険の適用がないため購入者の全額自己負担になるが、価格は薬局が自由に設定でき、医療機関を受診した場合と負担額が大差ないように設定されている場合が多いようだ。

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