この記事は日経ビジネス電子版に『「未来の車」に成長かけるNTT ライバルはグーグルやアップル』(4月4日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』4月11日号に掲載するものです。

NTTグループがトヨタ自動車との資本提携などをテコに、未来の車のための技術開発を急いでいる。車と車、車と街がつながる社会を見据え、通信網の提供にとどまらない付加価値を生むことがゴールだ。並み居る有力自動車メーカーやテック企業がしのぎを削る大舞台で、確かな存在感を示せるか。

NTTデータは2022年度に車向けレコメンドサービスを始める
NTTデータは2022年度に車向けレコメンドサービスを始める

 レンタカーでドライブしていると、車内に備え付けのタブレットに通知が来た。「近くにあなたへのお薦めスポットがあります」──。運転者や同乗者の属性を分析し、車に様々なレコメンド情報を配信する、こんなサービスが2022年度に始まる。

 レンタカー会社などと一緒にサービスを立ち上げるのはNTTデータ。デンソーとも組み、ドライバーごとの運転特性などを車載器でつかむ。「運転は人柄を表す」ともいわれるが、車載器で集めたデータを属性情報などと掛け合わせるとレコメンドの精度が高まることを実験で確認した。

 NTTデータ・ビジネスコンサルティング統括部の坂本裕輝統括部長は「『移動時間』が消費やエンターテインメントを楽しむ時間に変わる」と期待する。NTTデータはこのアプリを自動車各社のカーナビなどに供給することを目指す。

 NTTは無数の車と街が通信網でつながることで巨大な商機が生まれるとみる。ソフトウエアとICT(情報通信技術)のノウハウを武器に、モビリティー(移動)の大変革をグループの成長の原動力に据える戦略だ。

 その姿勢を鮮明にしたのが20年3月に発表したトヨタとの資本・業務提携だった。「スマートシティーの社会基盤を一緒につくり、世界に広げたい」。NTTの澤田純社長は共同記者会見でこう語った。

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