この記事は日経ビジネス電子版に『スパコン「富岳」活用の津波予測アプリ、チームで津波から避難』(3月16日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』3月28日号に掲載するものです。

富士通や川崎市などは3月12日、津波回避の実証実験を実施した。世界最高性能のスーパーコンピューター「富岳」を使った津波シミュレーションを活用する。供用開始から1年。先端技術を生かした社会実装に結びつけられるか。

富士通などはスパコンを活用した津波予測アプリの実証実験をした
富士通などはスパコンを活用した津波予測アプリの実証実験をした

 「通行不可を想定したカードを持つ人がいたので『ここは通れないみたい』と地図に印を付けておいたよ」。12日に富士通と川崎市、東北大学災害科学国際研究所や東京大学地震研究所が実施した、津波避難の実証実験。ゴールとなる中学校へ一番に現れた参加者の鈴木英朗さん(76歳)は実験後にこう語った。

 富士通などは2021年2月に、富岳を活用した津波の浸水予測技術を発表済み。実証実験は今回が初となる。冒頭の発言は、アプリに登録したユーザー同士が写真やコメントで危険箇所などを知らせ合う機能だ。アプリ内の地図上に通行止めなどの場所を共有し合い、危険な場所を避けて効率的に避難所などを目指せる。

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