この記事は日経ビジネス電子版に『ウクライナ危機でさまよう衛星会社 日本はロシアの代役果たせるか』(3月11日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』3月28日号に掲載するものです。

ロシアのロケットは各国の人工衛星打ち上げに使われてきたが、予定通りに飛ばないリスクが高まっている。打ち上げ延期になった案件も出るなか、世界から問い合わせが相次ぐのが高い成功率を誇る三菱重工業だ。駆け込み寺の様相だが、日本はロシアの代役を果たせるのだろうか。

三菱重工業には世界の企業からH2Aロケットを使えないかと問い合わせが相次ぐ(種子島宇宙センター)(写真=共同通信)
三菱重工業には世界の企業からH2Aロケットを使えないかと問い合わせが相次ぐ(種子島宇宙センター)(写真=共同通信)

 「ソユーズが使えない。日本のロケットで打ち上げられないか」

 ウクライナ危機が勃発した後、三菱重工には欧米を中心とする衛星運用会社から問い合わせが引きも切らない。ソユーズとはロシア製ロケットの名称だ。

 欧米日の企業はロケットに衛星を載せ、競うように打ち上げている。地球の高速通信網を整えたり、人や車の移動データを得たりと目的は様々だ。頼りにされてきた一つがロシアのロケットで、2021年はソユーズなどを25回打ち上げた。

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