この記事は日経ビジネス電子版に『営業継続探ったユニクロの誤算 小売りにロシア事業停止の連鎖』(3月11日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』3月21日号に掲載するものです。

アパレルや外食などのグローバル企業が相次いでロシア事業を停止している。「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは事業継続を模索してきたが、一転して停止に追い込まれた。世界の政治問題とどう向き合うか。あらゆる企業が正解のない難題に巻き込まれている。

ロシアに50店舗を展開するユニクロの営業継続を模索してきた
ロシアに50店舗を展開するユニクロの営業継続を模索してきた

 「ロシアにおいても、私たちの使命の一環として、これまでユニクロの日常着を一般の人々に提供してきました」。3月10日にロシア事業の一時停止を決めたファーストリテイリングの声明には、営業を継続できない悔しさがにじんでいた。

 ロシアによるウクライナ侵攻後、アパレルや外食などのグローバル企業が次々にロシア事業の停止を決めている。「ウクライナでの悲劇的な事態を深く憂慮している」としてアパレル業大手でいち早く停止を決めたのはスウェーデンのアパレル大手へネス・アンド・マウリッツ(H&M)。「ZARA」を展開するスペインのインディテックス、スポーツ用品のドイツ・アディダスなども続いた。

 そうした中、ロシア国内でユニクロを50店舗展開するファストリは営業を継続してきた。日本経済新聞は7日、ファストリの柳井正会長兼社長が「戦争は絶対にいけない。あらゆる国が反対すべきだ」とコメントし、その上で「衣服は生活の必需品。ロシアの人々も同様に生活する権利がある」と語ったと報じた。

 ロシアの一般市民の必需品を提供するとの名目で営業を続ける一方、ウクライナや周辺地域で人道支援をする国連難民高等弁務官事務所(U NHCR)への1000万ドル(約11億5000万円)の寄付を決めた。さらにUNHCRを通じ、近隣国に逃れた難民にユニクロの毛布やインナーなど衣料品約20万点を提供する。

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