この記事は日経ビジネス電子版に『ウクライナ戦争で「有事の円買い」なぜ不発? この先むしろ円安も』(3月8日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』3月21日号に掲載するものです。

ロシアへの経済制裁が強化され、世界経済への悪影響の懸念は強まり続けている。一方でドル円相場は小動きにとどまっている。かつて盛んに指摘された「有事の円買い」の姿は見当たらない。外為市場はどう変化したのか。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストに聞いた。

3月上旬まで円相場は1ドル=115円前後で動かなかった(写真=共同通信)
3月上旬まで円相場は1ドル=115円前後で動かなかった(写真=共同通信)

外為市場ではかつて「有事の円買い」と言われていましたが、足元で円高が進んでいません。なぜでしょうか。

 足元ではユーロなど幅広い通貨に対して全面的なドル買いが起きています。ドルは世界中で使われる基軸通貨で、市場での流動性も円より高い。「有事のドル買い」と「有事の円買い」が綱引き状態になっています。

 日本の貿易収支が赤字に転落していることもあります。1月の日本の貿易赤字は2兆円規模に上っており、輸入のためのドル買い需要が出ていると考えられます。コモディティー価格が上昇傾向にあるなかでは、ドル買い需要が強くなるとの見方から、円買いも限定的になります。

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