この記事は日経ビジネス電子版に『宇宙でも暴れるロシアを誰が止める? イーロン・マスク氏も名乗り』(3月1日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』3月14日号に掲載するものです。

ウクライナ情勢が緊迫する中、宇宙でも米国とロシアの緊張が高まっている。ロシアは侵攻前、宇宙で敵国の衛星撃墜を想定した衛星破壊実験を実施し、米国が反発していた。侵攻後にも、ロシア国営宇宙開発企業トップが「脅し」ともとれる発言を投稿。宇宙での暴挙を誰が止めるのか。

2021年9月に宇宙基地を訪問したプーチン大統領(写真=ロイター/アフロ)
2021年9月に宇宙基地を訪問したプーチン大統領(写真=ロイター/アフロ)

 米国とロシアのにらみ合いは宇宙でも起こっている。関係悪化を決定づけたのが、2021年11月15日に起きたある事件。敵国の衛星撃破を想定してロシアが実施した「衛星破壊実験」だ。追跡できる大きさのものだけで1500以上のデブリ(宇宙ごみ)が発生し、国際宇宙ステーション(ISS)を破損する恐れがあったため、乗組員は避難を余儀なくされた。「敵国の衛星を撃墜する手段があることを印象づける意図があったのだろう」。米戦略国際問題研究所(CSIS)で宇宙安全保障などを担当するトッド・ハリソン氏はこう指摘する。

宇宙空間でも米ロの緊張関係が高まっている
●宇宙を巡る米ロ闘争、最近の流れ
宇宙空間でも米ロの緊張関係が高まっている
[画像のクリックで拡大表示]

 地上戦を優位に進める上で、宇宙の存在は欠かせない。全地球測位システム(GPS)は地上戦での指揮統制やピンポイントの空爆に必要不可欠だ。ロシアは14年のクリミア侵攻でもGPS波を妨害してウクライナ軍の軍事力を弱める「電子戦」を展開。今回の侵攻でも同じ手を使っている。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1111文字 / 全文1730文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。