この記事は日経ビジネス電子版に『トヨタの「弱い輪」が餌食に、サイバー攻撃で生産停止』(3月1日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』3月14日号に掲載するものです。

トヨタ自動車の取引先がサイバー攻撃を受け、数万社で構成する巨大なサプライチェーンが寸断した。たった1社、たった1人の不注意が、甚大な被害をもたらし得るという現実を産業界に突きつけた。ロシアのウクライナ侵攻を受け、サイバー空間で緊張が高まっている。一層の警戒が必要だ。

トヨタ自動車の生産が終日停止した(写真はイメージ)(写真=共同通信)
トヨタ自動車の生産が終日停止した(写真はイメージ)(写真=共同通信)

 英語圏には「鎖の丈夫さは、最も弱い輪によって決まる」という格言がある──。

 トヨタ自動車は3月1日、国内14カ所にある全工場の稼働を停止した。主要取引先である樹脂部品メーカーの小島プレス工業(愛知県豊田市)でサイバー攻撃によるシステム障害が発生し、納品データをやり取りできなくなったのが原因だ。小島プレスの部品はトヨタ車の多くに使われていたことから、全面的な稼働停止を余儀なくされた。約1万3000台の生産に影響が出たもようだ。

 攻撃の発信源など全容の解明はこれからだ。ただ分かっているのは、トヨタの巨大なサプライチェーン(供給網)が、小島プレスという「最も弱い輪」によって寸断されてしまったということだ。

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