この記事は日経ビジネス電子版に『ウクライナ危機が欧州の原発回帰誘う』(3月3日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』3月14日号に掲載するものです。

ロシアのウクライナ侵攻によって欧州のエネルギー市場が風雲急を告げている。欧州は天然ガスの4割をロシアに依存しており、エネルギー確保へ原子力発電に回帰する可能性が色濃くなった。原発産業を守ってきた日本勢にとって追い風になる可能性も出てきた。

フランスはすでに原発活用の方向性を鮮明に打ち出している(写真=アフロ)
フランスはすでに原発活用の方向性を鮮明に打ち出している(写真=アフロ)

 ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ドイツのショルツ首相は2月末、危機感をあらわにした。「先を見据えた責任あるエネルギー政策が、安全保障のためにも決定的に重要であることが明らかになった。個別のエネルギー供給国からの輸入に依存している状況を克服するため、方針を転換しなければならない」

 独は天然ガス輸入の6割をロシアに依存する。そのリスクが表面化し、原発も含めた見直しに言及したのだ。今回の欧ロのエネルギー問題は制裁をかけたほうが「返り血」を浴びやすいリスクをはらむ。国際環境経済研究所の竹内純子理事・主席研究員は「危機がどこまで長びくかによるが、欧州で『準国産エネルギー』たる原子力発電を活用すべきという方向に世論が傾く国があるかもしれない」と解説する。

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