この記事は日経ビジネス電子版に『企業のプライドに傷? 岸田首相肝煎り、四半期開示見直しの行方』(2月28日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』3月4日号に掲載するものです。

岸田文雄政権が、思わぬ逆風を経済界から受けている。「四半期報告書」の開示ルールを変えて企業の負担軽減を狙うが、経営層の反感を招いているのだ。規制緩和と市場の信頼確保を両立できるか、首相の力量が問われる。

金融商品取引法で提出が義務付けられている企業の四半期報告書。監査人のレビューを受ける必要がある
金融商品取引法で提出が義務付けられている企業の四半期報告書。監査人のレビューを受ける必要がある

 2月18日、金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループの会合が開かれた。テーマは「企業による情報開示の頻度とタイミング」。岸田文雄首相が「新しい資本主義」の重要施策に掲げる、四半期ごとの報告書開示の見直しについて議論した。

 3カ月ごとの業績を気にしていると短期的な視点による経営につながり、人材育成や設備投資を怠りかねない──。そう考える岸田首相は、1月の施政方針演説でも「市場に任せればすべてうまくいくという新自由主義的な考え方が生んだ弊害を乗り越える」と訴えた。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り906文字 / 全文1346文字

【春割/2カ月無料】お申し込みで

人気コラム、特集記事…すべて読み放題

ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。