この記事は日経ビジネス電子版に『ミールキット参入のワタミ コロナ禍で孤軍奮闘の宅食に活路』(2月9日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』2月21日号に掲載するものです。

ワタミが食品宅配事業(宅食)の新ブランド「PAKU MOGU(パクモグ)」を立ち上げた。20~40代の子育て世代を想定し、食材の下処理が済んだミールキットを家庭に届けるサービスを展開する。コロナ禍で外食事業に厳しい環境が続く中、2008年から育ててきた宅食事業で勝負する。

<span class="fontBold">既存の食品宅配サービスは50代以上の顧客が多かったが、子供が食べやすいメニューで子育て世代に訴求する</span>
既存の食品宅配サービスは50代以上の顧客が多かったが、子供が食べやすいメニューで子育て世代に訴求する

 「2022年度の売上高は、外食の回復をにらんでも外食と宅食の割合が50:50になるとみている」。2月1日にワタミが開いた発表会。渡邉美樹会長兼社長が語ったのは、失望と期待が入り交じった言葉だった。

 失望は外食だ。20年春以降、時短営業の要請や酒類提供の制限が断続的に繰り返された外食業界。居酒屋業態が主力のワタミが受けた影響は甚大だった。21年4~9月期の国内外食事業の売上高は54億円。コロナ禍前の19年同期と比べ4分の1の水準となっている。感染拡大の波を繰り返す状況が続く中、外食事業の急激な回復は期待できない。

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