この記事は日経ビジネス電子版に『JR東、ANAなど久々の営業黒字 早期復活の鍵は出張需要?』(2月7日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』2月14日号に掲載するものです。

コロナ禍で苦しんできた鉄道・航空業界にかすかな光が差し込んだ。旅客需要が一定程度回復し、2021年10~12月期にJR東日本やANAホールディングスなどが営業黒字に転換した。「恵みの秋」を経て、早期の業績回復に向け取り組まなければならない課題も明確になってきた。

<span class="fontBold">北陸新幹線などの車内でも乗客向けの「オフィス新幹線」サービスが始まった。各社はビジネス需要の取り込みに向け試行錯誤する</span>(写真=共同通信)
北陸新幹線などの車内でも乗客向けの「オフィス新幹線」サービスが始まった。各社はビジネス需要の取り込みに向け試行錯誤する(写真=共同通信)

 「(鉄道事業は)計画よりも好調に推移している」。こう話すのはJR東日本の担当者だ。2021年10~12月期は実に8四半期ぶりの営業黒字だった。鉄道事業は「収入が計画を上回った」(担当者)。新型コロナウイルスの感染拡大が21年秋に一息つき、9月末で緊急事態宣言が解除されたことが主な要因だ。

 ただ、その回復ぶりには濃淡がある。10~12月期の単体の鉄道運輸収入約3250億円のうち、通勤・通学需要が中心の在来線定期券による収入は約900億円。18年同期に比べ25%減で、20年同期からは微減だ。対して、新幹線収入は900億円弱。18年同期に比べると4割減だが、20年同期比では3割強増えた。

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