この記事は日経ビジネス電子版に『日本の「コロナ鎖国」にNO!  親日の米識者が岸田首相に嘆願書』(1月31日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』2月7日号に掲載するものです。

日本政府が新型コロナウイルス対策として実施する外国人の入国拒否に海外から批判の声が上がっている。注目すべきは、批判しているほとんどの人が日本をこよなく愛す「親日家」である点だ。日本と親日家の間にどんな意見の相違が生まれたのか。果たして溝は埋まるのか。

<span class="fontBold">米国で日米関係を研究する有識者が主導し岸田首相に送った嘆願書(下)。批判の中にも配慮が読み取れる</span>(写真=共同通信)
米国で日米関係を研究する有識者が主導し岸田首相に送った嘆願書(下)。批判の中にも配慮が読み取れる(写真=共同通信)
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 日本政府が新型コロナウイルスの新しい変異型「オミクロン型」の水際対策として2021年11月30日から再導入した外国人の新規入国禁止措置。これに海外から批判が集中している。米国を中心に海外で活動する研究者や政策実務者、経営者らは22年1月20日までに、観光目的以外の外国人の入国を許すよう求める嘆願書を岸田文雄首相に送った。

 「深刻な懸念」「日本の国益を毀損」──。嘆願書には強い言葉も目立つが、一貫して主張しているのは1点のみ。「公衆衛生上の条件が全く同じでも国籍が外国人というだけで入国できないのはおかしい」という点だ。

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