この記事は日経ビジネス電子版に『伊藤忠商事・石井社長「縦文化をぶっ壊せ」 ファミマはDX実験場』(1月6日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』1月17日号に掲載するものです。

コロナ禍で日本企業はデジタル化と事業再構築にどう取り組むかが問われている。2022年3月期に過去最高益を見込む伊藤忠商事の石井敬太社長COO(最高執行責任者)は「企業の縦割りをデジタルと現場の力で打破する」と話す。

<span class="fontBold">伊藤忠商事社長COO 石井敬太[いしい・けいた]氏</span><br />1983年、早稲田大学法学部卒業、伊藤忠商事入社。「有機化学品第一部基礎原料課」からキャリアをスタートし、化学品業界を主に歩んできた。2018年にエネルギー・化学品カンパニープレジデント、20年に専務執行役員に就任、21年4月から社長執行役員COO(最高執行責任者)。学生時代はラグビーに取り組み、高校時代は全国大会出場経験がある。趣味は音楽鑑賞。ビートルズからジャズまで分野は幅広い。東京都出身、61歳。(写真=陶山 勉)
伊藤忠商事社長COO 石井敬太[いしい・けいた]氏
1983年、早稲田大学法学部卒業、伊藤忠商事入社。「有機化学品第一部基礎原料課」からキャリアをスタートし、化学品業界を主に歩んできた。2018年にエネルギー・化学品カンパニープレジデント、20年に専務執行役員に就任、21年4月から社長執行役員COO(最高執行責任者)。学生時代はラグビーに取り組み、高校時代は全国大会出場経験がある。趣味は音楽鑑賞。ビートルズからジャズまで分野は幅広い。東京都出身、61歳。(写真=陶山 勉)

コロナ禍でデジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性が注目されています。

 ビジネスにデジタルを絡めていこうという「精神的環境整備」は整いました。企業の投資意欲は高く、商社の中でもIT分野を手掛ける部門「情報・金融カンパニー」を持つ伊藤忠商事にとってチャンスは大きいと考えています。

 (子会社の)ファミリーマートは新たなコンビニ像を共創する「偉大なる実験場」です。(完全子会社の食品卸大手)日本アクセスと協力して進めている需要予測、多忙な店長の業務を支援する「AIバーチャルエージェント」、無人店舗などデジタルを実装したものを世に出し始めています。全く違った業界が協力して仕事に臨むとき、現場で蓄積したデータを分かりやすく示すことができれば、「縦割り組織」を動かす力になります。私も口を酸っぱくして「縦文化をぶっ壊せ」と言っています。

伊藤忠でも縦割りは根強いのでしょうか。

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