
新型コロナウイルス禍は世界の秩序を激変させ、日本が抱える様々な課題を浮き彫りにした。2022年は感染拡大の収束を目指しつつ、経済正常化と成長回帰への道筋を固める1年になる。「活路」はどこにあるのか。前週に続き、ビジネスリーダーたちのインタビューからその答えを探る。
この記事は日経ビジネス電子版に『日本電産・永守氏「困難も混乱もむしろ好機」 問われる経営者の意志』(1月6日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』1月17日号に掲載するものです。
新型コロナウイルスの感染拡大による落ち込みから日本経済は本格回復できるのか。再成長のために経営者は何をすべきか。日本電産の永守重信会長に、半世紀近い経営者人生を振り返りながら、危機の中での経営者のあり方を聞いた。
![<span class="fontBold">日本電産会長 永守重信[ながもり・しげのぶ]氏</span><br />1944年生まれ。67年職業訓練大学校(現・職業能力開発総合大学校)電気科卒。73年に日本電産を創業、社長に就任。世界一のモーターメーカーに育てた。2014年から会長兼務。18年6月から会長兼最高経営責任者(CEO)、21年6月会長専任に。私財を投じて京都学園大学(現・京都先端科学大学)の改革に乗り出し、同大学を運営する永守学園の理事長にも就任。21年11月、『成しとげる力』(サンマーク出版)、22年1月、『永守流 経営とお金の原則』(日本経済新聞出版)を出した。(写真=太田 未来子)](https://cdn-business.nikkei.com/atcl/NBD/19/depth/01320/p1.jpg?__scale=w:500,h:387&_sh=0df06a0230)
1944年生まれ。67年職業訓練大学校(現・職業能力開発総合大学校)電気科卒。73年に日本電産を創業、社長に就任。世界一のモーターメーカーに育てた。2014年から会長兼務。18年6月から会長兼最高経営責任者(CEO)、21年6月会長専任に。私財を投じて京都学園大学(現・京都先端科学大学)の改革に乗り出し、同大学を運営する永守学園の理事長にも就任。21年11月、『成しとげる力』(サンマーク出版)、22年1月、『永守流 経営とお金の原則』(日本経済新聞出版)を出した。(写真=太田 未来子)
新型コロナの感染拡大でこの2年、世界も日本も大きな困難に直面しました。危機にぶつかった時、永守さんは何を考えますか。
当社は実は創業して数カ月で第1次石油危機にぶつかりました。それまで日本経済は高度成長期の上げ潮に乗って伸びていました。
ところが、それが一転、大混乱にいきなり遭遇したのです。その後も、バブル崩壊、(1990年代後半の)日本の金融危機、リーマン・ショックと何度も大きな危機に直面しました。でも、振り返ると当社はそんな混乱期にこそ成長してきたんですよ。
今回のコロナ禍で当社も2021年度上期は、需要が落ちて業績にも打撃があった。でも、もう一度、生産性改革を徹底したおかげで、それまで5000人の工場が4000人で運営できるようになるくらいの結果を招いたんです。皆が「悪い悪い」と嘆いている時に思い切って改革をしていくのが一番成功できる方法なんです。
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