この記事は日経ビジネス電子版に『元ネスレ高岡氏「顧客の問題が見つかれば、5倍の価格でも売れる」』(2021年11月30日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』2022年1月10日号に掲載するものです。

ネスレ日本のトップとして、スイス本社から「ジャパンミラクル」と称賛されるほど急成長させた高岡浩三氏。顧客の問題を発見して、それを解決することに価値があると指摘する。そのためにも「考える時間をものすごく持とう」と呼びかける。

<span class="fontBold">元ネスレ日本社長 高岡浩三[たかおか・こうぞう]氏</span><br />1983年神戸大学経営学部卒。同年ネスレ日本入社、各種ブランドマネジャーなどを経て、ネスレコンフェクショナリーのマーケティング本部長として「キットカット」受験応援キャンペーンを手掛ける。2010年ネスレ日本社長兼最高経営責任者(CEO)に就任。「ネスカフェ アンバサダー」で日本マーケティング大賞受賞。20年3月ネスレ日本を退社。現在はケイアンドカンパニー社長として企業の変革を支援している。
元ネスレ日本社長 高岡浩三[たかおか・こうぞう]氏
1983年神戸大学経営学部卒。同年ネスレ日本入社、各種ブランドマネジャーなどを経て、ネスレコンフェクショナリーのマーケティング本部長として「キットカット」受験応援キャンペーンを手掛ける。2010年ネスレ日本社長兼最高経営責任者(CEO)に就任。「ネスカフェ アンバサダー」で日本マーケティング大賞受賞。20年3月ネスレ日本を退社。現在はケイアンドカンパニー社長として企業の変革を支援している。

日本の現状をどう見ていますか。

 日本の経営者は40年近く前から「変化に対応しなきゃいけない」と言い続けてきました。その割に、世界の変化から大きく遅れてしまった。

 日本は「リノベーション」で成長を果たした国です。僕にとってイノベーションとは「顧客が認識していない問題」あるいは「解決できないと諦めている問題」を解決すること。「顧客が認識している問題」を解決するのはリノベーションにすぎません。ソニーの「ウォークマン」は真のイノベーションだと思いますが、日本は基本的に、欧米で生まれたイノベーションの改良で成長してきました。

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