この記事は日経ビジネス電子版に『三菱ケミカルHD社長、歴史からの「方向転換」 石化・炭素を分離』(12月21日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』12月27日号に掲載するものです。

石化・炭素事業の切り出しをはじめとする改革方針を打ち出した三菱ケミカルホールディングス(HD)。総合化学からの転換を目指すという大変革だけに、社内外で様々な初期反応が起きている。本誌のインタビューに応じたジョンマーク・ギルソン社長に改革の狙いと今後について聞いた。

 「とても大きな変化だ。私たちが創り上げてきた歴史から方向転換することになる」。日経ビジネスのインタビューに応じたギルソン氏は、新方針についてこう話す。ただ、「変化が持つ意味合いに気づいていない従業員が95%ほどいた」(ギルソン氏)ため、従業員と対話する機会を設けて双方向のコミュニケーションに努めているという。

 新方針で目玉となった石化・炭素事業の切り出しについては、2023年度中をめどに分離・独立させるとのスケジュールも示した。ギルソン氏は「世界で汎用品需要は伸びていくと考えられるが、日本では石化というビジネスは難しい」と指摘する。実際、足元で石化や炭素の事業が同社の連結コア営業利益に占める割合は数%と極めて低い。世界中が脱炭素に向かう中、「エネルギー価格の上昇圧力が高まるため、価格の転嫁がうまくできなければビジネスとして難しい状況になる」とみる。

(写真=北山 宏一)
(写真=北山 宏一)

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