この記事は日経ビジネス電子版に『住宅ローン減税の優遇幅縮小 中古は不利という矛盾』(12月10日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』12月20日号に掲載するものです。

2022年度の税制改正により、控除額の縮小が決まった住宅ローン減税。首都圏ではマンション価格が「バブル超え」となる状況で、中古住宅の控除幅は、新築に大きく劣る内容となった。フロー型からストック型への移行が必要な日本の住宅産業に見合った改正なのか、疑問が残る。

<span class="fontBold">優遇幅縮小で高所得者中心に住宅購入者の負担は増えそうだ</span>(写真=PIXTA)
優遇幅縮小で高所得者中心に住宅購入者の負担は増えそうだ(写真=PIXTA)

 2022年度税制改正の目玉だった住宅ローン減税の概要が固まった。ローン残高の1%を所得税などから差し引く控除率は1%から0.7%に縮小され、控除の対象となる借入残高の上限は一般住宅の場合4000万円から3000万円に引き下げられる。その一方で、新築の減税期間は原則10年間から13年間に延びる。

 変動型ではローン金利が1%を下回る場合がほとんどだ。節税額の方が多くなる「逆ざや」問題もあり「現制度は所得の高い層に有利との声に配慮した」(自民税調関係者)。それでも住宅ローンに詳しいファイナンシャルプランナーの関根克直氏は「大幅な負担増は変わらない」と見る。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り882文字 / 全文1386文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。