この記事は日経ビジネス電子版に『「再エネ・水素大国」へ、インドの野望と日本の好機』(11月30日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』12月6日号に掲載するものです。

大気汚染が深刻化するインドで、脱炭素の機運が急速に高まっている。COP26では石炭火力廃止に慎重な姿勢を示す一方、温暖化ガスの排出を実質ゼロにする目標を初めて掲げた。グリーン水素の活用も視野に入れるインドの脱炭素の動きは、日本にとっても好機だ。

<span class="fontBold">スモッグが立ち込めるインドの首都ニューデリー</span>(写真=AFP/アフロ)
スモッグが立ち込めるインドの首都ニューデリー(写真=AFP/アフロ)

 11月14日、インドのデリー首都圏では建設現場での作業が禁止され、15日からは学校も休校となった。トラックの立ち入りも制限され、一部の石炭火力発電所は稼働を停止した。 石炭火力の稼働停止からも分かるように、脅威とされたのは新型コロナウイルスではない。大気汚染だ。

 ニューデリーでは大気汚染の程度を示す空気質指数(AQI)が11月に入り大きく悪化し、連日のように健康にとって「危険」とされるレベルを記録した。インドでは例年、乾期の訪れとともに大気汚染が問題視される。ただ今年は国民の関心が高く、対策も強化されているように見える。 「気候変動に関する意識の高まりが影響しているのではないか」とあるデリーの住民は話す。

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