この記事は日経ビジネス電子版に『ホンダが挑むもう一つの“ゼロ” AIで事故死のない未来を現実に』(11月30日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』12月6日号に掲載するものです。

自動車業界で、温暖化ガスの排出実質ゼロと並ぶ長期目標として「交通事故死ゼロ」を掲げるメーカーが増えている。ホンダは2050年までに自社製の自動車・二輪車が関与する事故で死者を出さないための安全技術の確立を急ぐ。全世界で交通事故による死亡者は年間およそ130万人。悲劇の起きない未来に向けた開発競争が活発になる。

<span class="fontBold">ホンダは仮想空間上に交通状況を再現し、AIによって事故リスクを瞬時に判定する技術の開発に取り組む</span>
ホンダは仮想空間上に交通状況を再現し、AIによって事故リスクを瞬時に判定する技術の開発に取り組む

 スマートフォンを見ながら歩く男性。路肩に止まっている車の前を横切って車道に出ようとする。停止車両が妨げとなって、後方から走ってくる車から彼の姿は見えない──。

 事故が起きてもおかしくない、こんな場面。ホンダはリスクを人工知能(AI)で予測し、車や歩行者とリアルタイムに共有する研究を進めている。例えば、道路を行き交う車や路上のカメラ、歩行者のスマホの位置情報などを収集。仮想空間上に交通状況を再現し、事故につながりそうなリスクを車や歩行者に通報する。

 冒頭の事例なら、対向車線の走行車が、路肩の車やその前を横切る歩行者を検知。歩行者が視野に入っていない車に警告するほか、歩行者のスマホにも「接近注意!」と車の存在を知らせる。

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