この記事は日経ビジネス電子版に『いばらの道の「メタバース」、旧フェイスブックの勝算』(11月22日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』11月29日号に掲載するものです。

10月28日(米国時間)に「メタ・プラットフォームズ(メタ)」への社名変更を発表した米フェイスブック。仮想空間の提供者としての覇権を狙う戦略は、これまでの買収実績から見れば「既定路線」とも言える。ただし、そこは異なる強みを持ったライバルがひしめく激戦区。道のりは平たんではなさそうだ。

<span class="fontBold">「メタバース」と呼ばれる仮想空間のプラットフォームを中心とする企業に変わろうと社名変更に踏み切った</span>(写真=長田洋平/アフロ)
「メタバース」と呼ばれる仮想空間のプラットフォームを中心とする企業に変わろうと社名変更に踏み切った(写真=長田洋平/アフロ)

 「フェイスブックファーストではなくメタバースファーストになる」。旧フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、メタへの社名変更を発表したオンラインイベントでこう決意を語った。

 「メタバース」とは、娯楽や仕事、交流などが可能な仮想空間のこと。「超越」を意味するメタと「宇宙」を意味するユニバースを合わせた造語だ。ザッカーバーグCEOは「人々をつなぐのが我々のDNAだ」と述べ、現在のSNS(交流サイト)の事業とメタバースの事業は同じ目的の上に成り立っていると説明した。

 世界で広く普及したSNSの名称からの社名変更は、元社員の告発などで高まる企業体質や管理体制の不備への批判をかわす狙いもあるとみられる。とはいえ、メタバースの事業に本格的に参入する準備を長年にわたって続けてきたのも事実だ。

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