この記事は日経ビジネス電子版に『岸田政権が狙う賃上げ促進税制 「大企業優遇」是正の難しさ』(11月9日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』11月15日号に掲載するものです。

岸田政権が11月内にも策定する大型経済対策では、賃上げ促進税制が目玉の1つとなる。第2次安倍政権時を超える賃上げの流れを作るためには、恩恵が大企業に偏る状況の改善が不可欠だ。だがそれは同時に、製品やサービスの利用者である消費者に値上げを容認してもらうことでもある。

<span class="fontBold">「成長と分配の好循環」に向け、賃上げ企業を対象にした税制優遇策を打ち出した岸田首相</span>(写真=代表撮影/ロイター/アフロ)
「成長と分配の好循環」に向け、賃上げ企業を対象にした税制優遇策を打ち出した岸田首相(写真=代表撮影/ロイター/アフロ)

 衆院選で自由民主党が安定多数の議席を確保し、腰を据えて政権運営できる基盤を手に入れた岸田文雄首相。11月8日に開かれた「新しい資本主義実現会議」で、成長と分配の好循環の実現に向けた最優先課題の1つとして取り上げられたのが賃上げだ。賃上げした企業への税制優遇策を「抜本強化」しようとしている。

 賃上げ税制は第2次安倍政権下の2013年度に導入された。その後改正などを経て現在は「所得拡大促進税制」と呼ばれている。企業が一定以上の賃上げを実施すると、1年に限り人件費の増加分に対して15~25%が税額控除されるというものだ。

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