この記事は日経ビジネス電子版に『日本発ロボットが宇宙で快挙 時給500万円飛行士の省力化へ一歩』(10月28日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』11月8日号に掲載するものです。

日の丸スタートアップが世界初となる快挙で、宇宙開発の新たな地平を切り開いた。高度約400kmの国際宇宙ステーション(ISS)で自律制御ロボットによる汎用作業の実証に成功した。莫大な人件費の削減が課題となっている宇宙開発で、ロボットがプロ飛行士の省力化に役立つ可能性を示した。

<span class="fontBold">予期しない事態が起きてもGITAIの自律ロボは正確に作業をこなした</span>
予期しない事態が起きてもGITAIの自律ロボは正確に作業をこなした

 10月14日、米南部ヒューストン。「ミッションコンプリート。大成功だ!」。GITAI Japan(東京・大田)の自律型ロボットを活用する民間宇宙サービス、米ナノラックスのオペレーションルームが歓喜に包まれた。

 13~17日にかけてISSでの作業をミス一つなくこなしたのだ。宇宙空間で自律ロボがこの類いの業務をやり遂げたのは世界で初めてだ。

 形状も大きさも違う3種類のスイッチを切り替えたり、多様なケーブルを抜き差ししたりした。4面ある太陽光パネルの組み付けでも、アームを360度巧みに操り、シャフトの組み立てからパネルの接合、ねじ締めまで成し遂げた。

 GITAIは「想定外」を許さなかった。作業中、ISSが予期せず50度傾いた。通信環境が変わり、途中で実験が止まってしまった。ロボは画像認識しながら作業するが、傾きによって光の当たり方が変わったり、位置決めにも影響を与えたりした。それでもロボは的確に対処した。「考えられるあらゆるリスクを織り込んで、プログラムを組んだ」(GITAIの中ノ瀬翔最高経営責任者=CEO)という。

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