この記事は日経ビジネス電子版に『脱炭素でガス火力発電も窮地に 「融資OK」でも海外進出に暗雲』(10月29日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』11月8日号に掲載するものです。

石炭に代わって火力発電の主役を射止めそうだった天然ガスが、ファイナンスをめぐって受難の時を迎えつつある。アジア開発銀行(ADB)が10月20日に正式決定した融資方針は、天然ガス火力発電に厳しい条件を並べた。ADBは日本のメガバンクや政府系金融とも協調融資する。重電・電機メーカーの海外進出に重荷となりそうだ。

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ガス火力発電はコスト増が不可避に(青森県八戸市)(写真=PIXTA)

 「これでは厳しすぎて、アジアのエネルギー供給が立ち行かなくなる」。経済産業省幹部はADBの融資方針について、思わずうなった。

 ADBは、天然ガス火力発電への融資条件として「高効率かつ、国際的に調達可能で最適な技術を採用すること」など、5つの条件を定めた。

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