この記事は日経ビジネス電子版に『「黒字廃業」予備軍60万社、救うはずのM&A仲介業にモラル問題』(10月13日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』10月25日号に掲載するものです。

「大廃業時代」を迎える中小企業のM&A(合併・買収)を増やそうと、仲介大手5社が自主規制団体を設立した。売り手と買い手の両方と契約することで利益相反が起きやすく、業界全体のモラル向上が目的の一つだ。後継者が決まっていない127万社の約半数が黒字とみられ潜在需要は大きいだけに、その役割は小さくない。

<span class="fontBold">中小企業庁も記者会見に参加し、M&A仲介業者の自主規制団体を後押しする姿勢を見せた</span>
中小企業庁も記者会見に参加し、M&A仲介業者の自主規制団体を後押しする姿勢を見せた

 日本M&Aセンター、ストライク、M&Aキャピタルパートナーズ、オンデック、名南M&AのM&A(合併・買収)仲介大手5社が10月1日、自主規制団体「一般社団法人M&A仲介協会」を設立した。目的の一つは業界の「モラル向上」だ。

 2025年までに70歳を超える中小企業の経営者約245万人のうち、127万人が後継者を決められていない。約650万人の雇用と、約22兆円のGDP(国内総生産)が失われる恐れがあるとして、中小企業庁もM&A仲介を後押ししているが、内在する「利益相反」が普及を阻んでいる。

 M&A仲介業の利益相反が世間で知られるようになったのは、河野太郎・前規制改革相が20年12月に掲載したブログだ。「(売り手、買い手の)双方から手数料を取る仲介は、利益相反になる可能性がある」と指摘したのだ。

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