この記事は日経ビジネス電子版に『脱炭素でアマゾンもライバルに JAL・ANA、協調か競争か』(10月18日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』10月25日号に掲載するものです。

航空大手の日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)が10月8日、共同でまとめたリポートを発表した。テーマはジェット燃料に代わる「持続可能な航空燃料(SAF)」。植物や廃油などを原料とした再生燃料だ。日本の両翼による異例のタッグの裏には、2050年の「カーボンニュートラル」に向けた出遅れ感がある。

<span class="fontBold">植物や廃油からつくる航空燃料「SAF」の量産の重要性を訴えるリポートを共同で発表したANAの平子裕志社長(左)とJALの赤坂祐二社長(右)</span>
植物や廃油からつくる航空燃料「SAF」の量産の重要性を訴えるリポートを共同で発表したANAの平子裕志社長(左)とJALの赤坂祐二社長(右)

 「SAFの安定供給と国際競争力のある価格の実現は、航空機から排出するCO2(二酸化炭素)実質ゼロに向けた有効なソリューションだ」。JALとANAが共同リポートで訴えたのは、SAFを安定的に調達できる体制づくりを急ぐべきとの危機感だった。SAFは、木や藻類、廃油、排ガスなどを原料とする再生燃料の総称。石油由来の燃料の代替として使う。

 航空産業は現在、世界のCO2排出量の2~3%を占める。日本の大手2社は低燃費機材の導入も進めるが、2050年の実質ゼロ実現にはCO2排出量の8~9割を減らせるとされるSAFの活用が不可欠と見る。リポートでは、50年には日本が調達するSAFが年間最大約2300万キロリットルに上ると試算した。19年に日本で消費した燃料の2倍に当たる。

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