この記事は日経ビジネス電子版に『「調べたうちの3割が不正品」 ニセモノ半導体にご用心』(9月8日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』9月20日号に掲載するものです。

深刻な供給不足が続き、メーカーや正規代理店から調達できないケースもある半導体。仕方なく非正規品に手を伸ばした機器メーカーが「ニセモノ」をつかまされる事態が相次いでいる。真贋(しんがん)判定サービスに乗り出した企業は「実際に調査したうちの3割が不正品だった」と明かす。

<span class="fontBold">X線検査装置などを駆使して半導体が不正品かどうかを分析する</span>
X線検査装置などを駆使して半導体が不正品かどうかを分析する

 5月、電子機器メーカーが集積する中国・深圳。電子機器受託製造サービス(EMS)企業JENESISの藤岡淳一CEO(最高経営責任者)は背筋が凍る思いをした。工場に届いたばかりのマイコン(電子機器を制御する半導体)に電源が入らないのだ。よく見るとパッケージの寸法も微妙に違うようだ。専門家に調査してもらったところ、メーカー名こそ本物そっくりだが、中身は求めていた仕様の品種とはまったく異なることが分かった。

 JENESISがこのマイコンを購入したのは、中国アリババ集団の通販サイトで見つけた業者だった。半導体不足のあおりを受け、いつものルートではマイコンの購入がどうしてもできなかったからだ。マイコンの代金の支払いは既に済ませていた。急いで調達先に問い合わせたが、後の祭り。何度連絡してもなしのつぶてだった。

 「2020年秋ごろから相談を持ち込まれることが増えてきた」。OKI子会社のOKIエンジニアリング(東京・練馬)は21年6月、半導体の真贋(しんがん)判定サービスを開始した。電子顕微鏡を使った外観検査、X線検査装置による内部構造の解析などによって「白黒判定」する。チップを保護するパッケージの樹脂をレーザーや溶剤で溶かしてシリコンチップをむき出しにして検査することもある。

 サービス開始から8月までに、産業機械や医療機器の関連メーカーなどを中心に150件ほどの問い合わせがあった。このうち70件ほどを調査したところ、約3割が不正品だった。

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