この記事は日経ビジネス電子版に『トヨタ、電池に1.5兆円投資でも目立つ「慎重姿勢」』(9月9日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』9月20日号に掲載するものです。

トヨタ自動車は2030年に向けて、電池の研究開発と生産供給体制の構築に1.5兆円を投じると発表した。巨額の投資だが、特定の用途や素材に絞らず、こまめに投資する慎重さが目立つ。同社の持ち味を発揮して乱戦のモビリティー市場で負けない戦いを貫く考えだ。

<span class="fontBold">オンラインの説明会には前田昌彦最高技術責任者らが顔をそろえた</span>
オンラインの説明会には前田昌彦最高技術責任者らが顔をそろえた

 トヨタは9月7日に電池事業の説明会を実施した。電池の改良や車両の「電費」改善により、車両1台当たりの電池コストの半減を目指す。さらに、2030年時点で確保する車載電池の生産能力(電池の容量ベース)を、5月の決算発表時には、現状の30倍に当たる180ギガワット時としていたが、早くも200ギガワット時以上へと引き上げた。

 ただし、電動化によるCO2削減効果は、ハイブリッド車(HV)3台で電気自動車(EV)1台に匹敵するとの独自試算を示し、200ギガワット時はEV向けの高容量型だけでなくHV向けの高出力型の電池も含む目標であることを説明。世界の市場がEVに傾く中、車両だけでなく、電池の開発・生産でも、特定の用途や素材だけに絞り込まず、「全方位型」を目指すことを強調した。

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