この記事は日経ビジネス電子版に『シャープの医療機器第1弾は補聴器、「いまさら参入」の勝算』(9月1日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』9月13日号に掲載するものです。
シャープがワイヤレスイヤホン型の補聴器を発表した。成長領域に位置づけた医療機器の第1弾となる。低価格と使い勝手をビジネスパーソンに訴求し、国内では普及率が低い補聴器市場の掘り起こしを狙う。持ち前の「目の付けどころ」を発揮した格好だが、海外の専業メーカーの牙城を切り崩せるか。
「聴く力が健康な状態である期間の『健聴寿命』を延ばし、生涯現役社会の実現に貢献したい」。シャープのICTグループ長で医療事業を統括する津末陽一専務執行役員は、8月31日の商品発表会でこう意気込んだ。
発表したのは補聴器の「メディカルリスニングプラグ」。ワイヤレスイヤホンとしても使える商品で、医療機器開発のニューロシューティカルズ(東京・文京)と共同で開発した。比較的症状が軽い「軽度」「中等度」の難聴者である40~60代のビジネスパーソン向けに、9月中旬以降に発売する。シャープは昨年、健康・医療・介護分野を成長領域として打ち出した。今回の補聴器は管理医療機器としての認証を取得した商品の第1弾となる。

特徴の一つが、利用者の聴覚特性に応じて補聴器からの音量を周波数ごとに調整する「フィッティング」の手間を軽減したこと。スマートフォンの専用アプリを使い、リモートで「認定補聴器技能者」や「言語聴覚士」の資格を持つ専門スタッフが調整する。従来は、販売店に複数回通って調整する必要があった。
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