この記事は日経ビジネス電子版に『SBIがフォリオ買収 資産運用ベンチャー、大手の「黒子」に活路』(9月6日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』9月13日号に掲載するものです。

ロボアドバイザーなど、資産運用サービスを手掛ける新興企業が、大手金融機関と手を組む動きが相次いでいる。自力での販路拡大よりも、大手と組む方が成長スピードを加速できるとの思惑が働いたと考えられる。テクノロジーを駆使し投資のハードルを下げた新興勢力だが、裏方に回らざるを得ない状況だ。

<span class="fontBold">SBIホールディングスに買収されたフォリオホールディングスの甲斐真一郎CEO</span>(写真=陶山 勉)
SBIホールディングスに買収されたフォリオホールディングスの甲斐真一郎CEO(写真=陶山 勉)

 フィンテックを活用した資産運用サービスを提供する新興企業が大手金融機関と手を組む動きが相次いでいる。8月31日、SBIホールディングスがロボットアドバイザーを手掛けるフォリオホールディングス(東京・千代田)を買収したと発表。同じくロボアドのお金のデザイン(東京・港)も8月1日に証券口座や顧客管理などの業務をSMBC日興証券に譲渡した。

 顧客の資金をAI(人工知能)が投資家の希望や市場環境に応じて配分するロボアドバイザーは、投資の知識も必要なく小口資金で始められるとあって、人気が出ている。そんな状況下で既存の大手証券と組む背景にあるといわれているのが、顧客基盤の強化だ。

 預かり資産額に応じて手数料を徴収する資産管理型ビジネスは、資産を増やさないと収益化のめどが立ちにくい。「安定した経営には100万口座、預かり資産も1兆円近くあった方がいい」(ネット証券関係者)との声もある。

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