この記事は日経ビジネス電子版に『菅首相退陣へ、総裁選出馬見送りの裏に「小泉氏の説得」』(9月3日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』9月13日号に掲載するものです。

菅義偉首相が9月29日投開票の自民党総裁選へ立候補せず、退陣する意向を表明した。新型コロナウイルス対応などで誤算が連鎖し、最後は万策が尽きて自ら幕を閉じる道を選んだ。次期衆院選の「顔」を選ぶ総裁選は構図が一変し、党内の駆け引きが激化している。

<span class="fontBold">9月3日、菅義偉首相は9月29日投開票の自民党総裁選への出馬を見送る意向を表明した</span>(写真=AFP/アフロ)
9月3日、菅義偉首相は9月29日投開票の自民党総裁選への出馬を見送る意向を表明した(写真=AFP/アフロ)

 菅義偉首相は3日の自民党役員会で9月17日告示、29日投開票の党総裁選への出馬を見送る意向を表明した。その後、首相官邸で記者団に、新型コロナウイルス対策と選挙活動には「莫大なエネルギーが必要で、両立はできない」などと説明した。

 菅首相の総裁任期は9月30日までで、衆院議員の任期満了は10月21日だ。8月22日投開票の横浜市長選で菅首相が支援した小此木八郎氏が惨敗し、新型コロナ対応への不満などから支持率低迷に直面する首相の求心力はさらに低下していた。

 目前に迫る総裁選は「選挙の顔」を選ぶ機会となる。首相への強い批判を背景に、次期衆院選に不安がある中堅・若手議員から「菅首相の下では戦えない」といった懸念の声が噴出していた。

 このため首相は局面転換を図ろうと、総裁選に先立ち、後ろ盾だった二階俊博幹事長など党執行部の刷新を行う意向を表明した。だが、首相が人事刷新後の9月中旬に衆院解散に踏み切るとの観測が広がると、党内では「首相の延命のための解散は許されない」といった反発が広がった。

 首相の総裁選再選を支持していた安倍晋三前首相らも「党内の反発を抑えることはできない」など解散への反対を伝達。首相の解散カードは封印され、異例となる総裁選前の党執行部人事についても、党内からは反発が相次いだ。万策が尽きた首相は自ら政権の幕を閉じる道を選んだ。

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