この記事は日経ビジネス電子版に『IPO、資金調達額が少ないのは証券会社の値決めのせいなのか』(8月31日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』9月6日号に掲載するものです。

IPO(新規株式上場)時の公開価格が低すぎるのではと、値付けを主導する証券会社が批判されている。企業本来の実力に見合った価格になっていない証左とされるのが、上場後の初値上昇率の高さだ。だが成長企業への資金供給をめぐっては日本独自の構造問題もある。一概に証券会社だけを責められない。

 政府が6月に策定した成長戦略に「IPOの価格設定プロセスの見直し」を明記したことを受け、具体的な動きが出始めた。公正取引委員会は8月11日までに、直近に日本でIPOした約100社へ調査票を送付。証券会社と企業の間で事前に設定されるIPO時の株価、いわゆる公開価格の決め方や、期待通りの資金調達ができたかどうかについて、回答を求めた。

 公取が動いた背景にあるのが「公開価格が適正価格から引き下げられている『IPOディスカウント』が存在するのではないか」という疑念だ。2020年にIPOした企業の公開価格に対する初値上昇率は平均で129.9%。初値が公開価格の3~5倍に跳ね上がる例もある。これは、欧米先進諸国の10~20%と比較すると異常な値だ。IPO企業は、上場直後に大きく上がる株価を見て「本当はもっと多くの資金を調達できたのでは」と思ってしまう。

初値が公開価格を上回りやすい
●過去3年間の上場社数、公募割れ社数および初値上昇率
<span class="textColTeal"><span class="fontSizeL">初値が公開価格を上回りやすい</span><br />●過去3年間の上場社数、公募割れ社数および初値上昇率</span>
(写真=アフロ)

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