この記事は日経ビジネス電子版に『有料化PayPay、「グーグルマップ+食べログ+LINE」狙う?』(8月20日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』8月30日号に掲載するものです。

スマートフォン決済大手のPayPayは、無料としていた中小事業者向けの決済手数料を10月に有料にする。最低料率は「業界最安水準」の1.6%。ただ、無料に引かれた加盟店の離反は避けられそうにない。引き留め策として打ち出したのはグーグルマップや食べログ、LINEなどの「いいとこ取り」だった。

<span class="fontBold">全面有料化にかじを切ったPayPayは加盟店の経営支援でつなぎ留めを図る</span>
全面有料化にかじを切ったPayPayは加盟店の経営支援でつなぎ留めを図る

 「日本のキャッシュレスは(PayPayが誕生した)3年でずいぶん進んだと思う」。PayPayの中山一郎社長は、8月19日に開いた記者会見でこう自賛した。2018年10月のサービス開始以来、国内31の営業拠点を設け、決済できる店舗を累計340万カ所に広げた。大型還元でユーザー数は4100万人を超え、スマホ決済のシェアは3分の2に上る。

 急拡大の原動力は、年商10億円以下の中小・零細向けの決済手数料を0%にしたことだ。QRコードを紙に印字して、来店客が読み取るタイプは初期費用も極めて小さく、受け入れやすかった。大手向けは当初から、年商10億円超の一部企業は段階的に有料化しており、今回で「全面有料化」となる。

無料と大型還元を武器に広がった
●PayPayが打ってきた主な施策
<span class="fontSizeL">無料と大型還元を武器に広がった</span><br />●PayPayが打ってきた主な施策

 ただ、中小規模の小売店の売上高に対する利益率は1~2%程度しかなく、有料化による加盟店離れは避けられそうにない。PayPayがつなぎ留め策として出した答えは加盟店のデジタル化支援。「PayPayマイストア」という、アプリ内で自店の情報を掲載して集客に使えるツールだ。これは既存のサービスの様々な特徴を取り入れている。

地図×食べログ×LINE?

 1つは地図。アプリ内の地図に店舗位置を示し、グーグルマップのように営業時間や住所、商品の写真などが掲載できる。2つ目が「口コミ」。グルメサイトの「食べログ」のように来店客がお店の評価やレビューを投稿でき、ほかのユーザーが参考にすることができる。3つ目が、SNSだ。アプリユーザーがお店をお気に入りに登録できるほか、店がユーザー向けにクーポンを発行できる。これはLINEが提供する「公式アカウント」と重なる。

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