この記事は日経ビジネス電子版に『離島防衛の切り札、川崎重工の新鋭ミサイル 不可解な研究開発中止』(8月16日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』8月23日号に掲載するものです。

川崎重工業による離島防衛向け長距離弾道ミサイルの研究試作が突如中止に追い込まれた。防衛能力の向上に多くの新技術が盛り込まれていただけに、断念には不可解さもつきまとう。台湾海峡の緊張感が増す中、防衛装備庁はなぜ現行品の改良を優先したのか。

<span class="fontBold">現行の「12式SSM」は三菱重工業が開発・製造する</span>(写真=共同通信)
現行の「12式SSM」は三菱重工業が開発・製造する(写真=共同通信)

 川崎重工業が打ち切りを言い渡されたのは、2018年度から続けていた島しょ防衛用の新たな地対艦誘導弾(ミサイル)「SSM」の研究試作。この種のミサイルはこれまで三菱重工業が「12式SSM」として開発・製造してきたが、装備庁が18年度、より強力なミサイルの配備を目指して研究試作のプロジェクトを公募。技術とコストを総合評価する競争入札の結果、川崎重工が落札していた。

 その威力はこれまでの12式SSMを大きく上回る。射程は2000kmと現行の約2倍に達し、配備が実現すれば陸上自衛隊が保有するミサイルでは最長になる。敵艦のレーダーに探知されにくい形状で、電波を吸収する素材を表面に塗布するなどステルス性能も高い。また、発射後に複雑な軌道を描くプログラムにより迎撃ミサイルの追尾を免れやすいという。AI(人工知能)を使った高度な画像認識で着実に標的をとらえるといった特長も備え、地対艦だけでなく空対艦などマルチユースにする計画もある。

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