この記事は日経ビジネス電子版に『税負担がマイナスに 利益2倍のみずほFGが繰り出した「錬金術」』(8月10日)として配信した記事を雑誌『日経ビジネス』8月16日号に掲載するものです。

メガバンクグループの2021年4~6月期決算は、各社とも与信コストが減少し純利益は2倍以上と復調した。みずほフィナンシャルグループ(FG)は子会社の資本適正化に伴い税負担がマイナスになり利益をかさ上げした。こうした手法は、東証市場再編に伴い流通株式時価総額の維持を狙う企業が多用するのでは、として注目が集まる。

<span class="fontBold">システム障害の問題を抱えるみずほFGだが、足元の業績は回復</span>(写真=共同通信)
システム障害の問題を抱えるみずほFGだが、足元の業績は回復(写真=共同通信)

 国内メガバンクグループの2021年4~6月期決算が出そろった。当期純利益は各社とも前年同期比の2倍以上と回復傾向が顕著となった。コロナ禍で経営が悪化する企業の倒産を見込んで計上する貸倒引当金などの与信コストが減ったのが主な要因だ。

 好調なのは三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)で、純利益は前年同期比2.1倍の3830億円となった。傘下の三菱UFJ銀行で、取引先の業績回復で与信コストが不要になったことによる「戻り益」が191億円あった。持ち分法適用会社の米モルガン・スタンレーの業績も好調で、純利益1406億円を稼いだ。これは、三菱UFJ銀の同1408億円と肩を並べる規模だ。

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